こんばんは。

 

 

アドラー心理学と

 

訪問リハビリテーションが

 

専門の理学療法士

山田 鷹です。

 

 

 

 

先日、6月26日(日)に、

 

横浜の一般社団法人 日本支援助言士協会にて

開催された講座

 

新しい家族療法のかたち

~オープンダイアローグとは?

 

を受講してきました。

 

 

 

 

 

 

アドラー心理学に関して

 

書籍を通して学んでいたところ、

 

 

こちらの書籍に出逢いました。

 

 

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この本は、

 

実際の臨床現場で

どのようにアドラー心理学を

活用しているのか

 

という切り口からまとめられており、

 

 

現代アドラー心理学における

『技法』や『理論』、『思想』の

主要なものが、

 

どのように解釈をされ

 

いつどこから取り入れられてきたか

 

についても丁寧にまとめられており、

 

その変遷と出典についての理解を

 

深めることができる一冊になっています。

 

 

 

 

やや学術的な文章となっていますが、

 

アドラー心理学を

実際の生活に生かしたい方や、

 

アドラー心理学を伝える側の人

オススメだと思います。

 

 この本は臨床心理学を生業とする三人の著者が各章を分担執筆しています。三人ともアドラー心理学を学んできた者ではありますが、アドラー心理学の権威、もしくは脇目も振らずにアドラー一筋というわけではなく、それぞれの現場でそこそこにアドラー心理学を利用してきたに過ぎません。三人のカウンセリングにおけるアドラー以外のオリエンテーションは、家族療法、システム論、ブリーフセラピー、解決志向、催眠療法、ナラティブセラピーなど多様です。これらとアドラー心理学を共存させ、折衷的、統合的に使ってきたのですが、その組み合わせは悪くありませんでした。また、三人の臨床領域も、医療、福祉、行政、教育、産業、臨床心理士養成、開業心理と様々だったのですが、どの領域においてもアドラー心理学は役立ってきました。ささやかながらもアドラー心理学に助けられて歩んできた臨床経験の実感を、この本を介して伝えられれば幸いです。

アドラー臨床心理学入門より引用)

 

とりわけ「アドラー心理学」の、

 

『現代社会における客観的なポジショニング』

を知りたい方には、

 

その入り口として有益な一冊だと思います。

 

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今回参加した講座は、

 

 

この本の著者の一人である、

 

八巻 秀 先生

講師をされているということ、

 

 

また、僕自身、

 

『家族療法』というものについては

全くのシロウトではあるものの、

 

 

家族と共に、個人の生活について

考えていく機会も多い

 

訪問リハビリテーションの場面でも、

 

この『オープンダイアローグ』を

生かすことができるのではないかと思い、

 

今回参加してみました。

 

 

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(講師の八巻 秀 先生と)

 

 

 

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今回の講座では、

 

『オープンダイアローグ』を

体験的に学ぶことに重点を置いており、

 

用語や理論な
どについての説明は

体験的な学習に必要最低限のものに

絞っていただけました。

(これは参加者全員で行った『対話』の結果です)

 

 

ここでは、

その中からまたさらに絞り、

 

その一部を取り上げてみます。

 

オープンダイアローグ(OPD)とは、フィンランド・西ラップランド地方のケロプダス病院で行われている精神疾患、特に統合失調症者への治療的なネットワークアプローチのこと。

OPDの中心人物である臨床心理士Jaakko Seikkula(ユヴァスキュラ大学 教授)によれば、OPDは、基本的には統合失調症の急性期に対する治療として発展してきたが、治療の対象は必ずしも統合失調症に限定されず、うつ病、PTSD、家庭内暴力などさまざまで、小学校教育での応用例も紹介されている。

OPDには、精神医療のあり方に大きなパラダイムシフトを迫る思想的・臨床的な可能性がある。また福祉・教育領域のグループミーティングのあり方にも展開が可能。

(八巻秀先生の私見としては、)

OPDの源流は家族療法と言われているが、さらにさかのぼると、A. アドラーが示した「対人関係論」の理論や「公開カウンセリング」などの実践、「共同体感覚」の思想、などとの共通性は多い。

「開かれた対話」がなされる。対話の実践では、ファシリテーターは存在するが、「議長」や「司会者」はいない。ファシリテーターの役割は、中立な立場を保ちながら、折に触れて話し合いに介入し、議論がスムーズに進行するよう調整しながら、相互理解と合意形成に向けて、議論を広げたり深めたりする。

ミーティングにおける重要な原則の1つとして「患者抜きではいかなる決定もなされない」ということがある。

ミーティングの最後にファシリテーターが結論をまとめる。結果として、薬物治療や入院が選択されることもあるが、何も決まらないということ、そしてそれを確認される事もある。

オープンダイアローグの基本原則

(1) 即時援助

(2) 社会ネットワークを通した事態の捉え方

(3) 柔軟性と機動性

(4) 責任

(5) 心理的継続性

(6) 不確かさに耐えること

(7) 対話(&ポリフォニー)

対話実践 Dialogic Practice の実践度に関わる十二の基本要素

  1. 二人(あるいはそれ以上)のセラピストがいること。
  2. 家族そして/あるいは社会ネットワークのメンバーが参加すること。
  3. 開かれた質問を使う。
  4. クライアントの発話・発言に応答すること。
  5. 今、現在、この瞬間を重視すること。
  6. 多様な観点を明るみに出すこと。ポリフォニーを尊重すること。
  7. 対話の中で関係が強調される点を作り出すこと。
  8. 問題発言や問題行動に対して、意味のあるものとして応答すること。
  9. 症状ではなく、クライアント自身の言葉と物語を重視すること。
  10. 治療ミーティングの中で、専門職同士の対話、話し合い(リフレクション)を用いること。
  11. 透明であること。隠し事のない姿勢。
  12. 不確かさに耐えること。不確実さを是とすること。

(全て、今回の講座資料より引用)

 

 

また、今回の講座では

 

このように活字先行ではなく、

 

『オープンダイアローグ』の

実践に必要となる

これらの基本的要素を、

 

自然と満たした接し方が

できるようになるワーク

実施することで学んでいきました。

 

 

今あらためて振り返ってみると、

 

感覚として学んでいく機会を

設けてくださった八巻先生の、

 

講座全体の運びの凄さに

気づきました。

 

 

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参加者の思考の入り口として

選択肢をいくつか提示し、

 

ひとり一人の意見を

できる限り拾い上げていく。

 

 

意見が広がりすぎてきた

雰囲気を感じとったなら、

 

タイミングを図って

「意見が広がってきましたね」と

そのまま素直に伝えて

全員で共有する。

 

そして、それにより自然と

全体の新たな思考の足場が

整っていく。

 

・・・・・・

 

最初に大まかな進行方向の

提示はするが、

 

その後は

 

群れの真ん中あたりから

全体を把握し、

 

全員が全員を把握できる範囲の

群れの大きさに整えながら、

群れの動きに従っていく。

 

 

群れの中で

変化が続いている限りは、

自分から大きな変化は

起こさない。

 

 

変化がなくなったと判断するのは、

 

全員の動きが止まってしまった時と、

全員の動きが似てきてしまった時で、

 

群れとしての伸び縮みが

なくなってしまった時。

 

 

その時はバランスをとって、

その状況に沿った変化を

自分から起こしてみる。

 

 

あくまでも、

 

大まかな進行方向確認と

 

群れの変化・伸び縮みの

バランスをとること、

 

そして

タイムキーパーとしての

役割に軸足を置いて

その場を共に過ごす。

 

 

 

心地の良い空間へと

ファシリテートしていただけました。

 

・・・・・・

 

なお、今回の講座資料は、

 

以下の参考文献をもとに

作成されているとのことでしたので、

 

興味のある方はご参照ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

「どんな風に『オープンダイアローグ』を

広めていきたい、と八巻先生はお考えですか?」

 

 

八巻先生

「学んだひとり一人が、

それぞれの場所で

それぞれの『オープンダイアローグ』を

実践していくことが大切だと思います。

 

そして、その実践結果を

お互いにシェアしていけると

いいと思います。」

 

 

 

 

これは講座の序盤、

 

まだ『オープンダイアローグ』についての

 

説明を受けていない状態の時の

 

やり取りです。

 

 

細かい表現は忘れてしまいましたが、

 

このようなご意見をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

今回の参加者の方々は、

 

 

カウンセラーや

 

障がい者関連施設の職員、

 

薬局の医療事務職員、

 

仕事の軸としてこれから

アドラー心理学の講座を

開催していく予定の方など、

 

 

職業活動における立場には

多様なものがありました。

 

 

 

 

それぞれの場所で、

 

それぞれの『オープンダイアローグ』

(的なコミュニケーション)を

 

実践した結果を

シェアできる日に向けて、

 

 

僕は僕の場所で

 

取り組んでみようと思います。

 

 

 

 

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今週末はまた、

 

山梨でアドラー合宿なので

 

楽しみです!!